IT業界の現場では開発の方法に工夫を凝らすことが増えてきており、その1つの取組みとしてスクラム開発を取り入れるのが散見されるようになった。スプリントを基本単位としてプロジェクトを進行させるのが特徴的な方法であり、基本的な流れは次のようになっている。
まず、スプリントプランニングを行って一定期間での目標を定めてメンバーに仕事を割り振る。そして、その期間内は毎日、あるいは定期的にデイリースクラムを行って意見交換を行い、個人の仕事の進捗状況に応じて仕事の割り振りについて調節を行っていく。当初定めた一定期間になった時点でレビューを行い、成果物についての評価を行うというものである。
プロジェクトの企画を立てて仕事を割り振り、期日を決めて開発を行って評価するという仕組みは一般的なプロジェクトの行い方に類似しているだろう。決定的に異なるのはデイリースクラムによって綿密な打ち合わせを頻繁に行い、適宜業務内容を調節することである。スプリントの間に業務内容が刻々と変わっていく場合もあり、その時のプロジェクトの進行度合いに応じて適切な業務をこなせなければならない。
エンジニアとして参画している場合にはある業務だけができるのでは不十分であり、プロジェクトの状況に応じてさまざまな業務に携われることが望まれる。重要度の高い部分に携わる人材を増やし、プロジェクトを全体的に進行させるスクラム開発は業務内容の頻繁な変更が特徴的になる場合が多い。